こんにちは、講師の春原です😊
先日、美容院へ行ったときのこと。
私の仕事を知っている美容師さんから、こんな質問をされました。
「アクセサリーにも流行ってあるんですか?」
あります。
……とは思うのですが、聞かれた瞬間は、
「あるような、ないような・・・ちょっと即答しにくいな🤔」
というのが正直なところでしたが、その質問をきっかけに改めて考えました。
「アクセサリー」と一言で言ってもかなり広い世界で、細かく分けようとすると本当にいろいろあります。
ハイジュエリーやブライダルジュエリー、ハレの日に着けるもの、普段使いのファッションジュエリー、天然石を楽しむ一点もの、クリエイターズジュエリー、コスチュームジュエリー、ハンドメイドアクセサリー・・・
素材も価格も、お客様が選ぶ理由もさまざまです。
※この記事では、主に普段のファッションに合わせて楽しむ「ファッションジュエリー」や「軽やかな日常使いのアクセサリー」のトレンドや広がり方についてお話ししていきます☝️
「最近よく見る」は、どこから来る?
色々と考えを巡らせながらそんな話をしていると、美容師さんがふいに、
「少し前って、小さいパールとかビーズをつないだ短めのネックレスをよく見かけませんでした?」と。
確かに・・・。
貴金属や宝石以外の素材を使ったアクセサリー系だと、特によく見かけたような気がします。

なんとなく懐かしいかんじ☺️
あらためて考えると、この辺りのアクセサリーは、
「最近これよく見るな」
「この着け方、違うお店でも提案していたな」
という変化に気づきやすいのかもしれません。
私がここ15年で印象に残っているのが、ビーズを革紐で挟んで編み込んだブレスレット、造花のヘアアクセ、イヤーフック、彫刻的な抽象的なモチーフ、スタッズ系、黒紐のチョーカー、などなど。
こうした変化に気づくのは、ジュエリー売り場だけではありません。
電車や街中、商業施設のアクセサリーショップ、アパレルショップのマネキン。
何気なく眺めていると、少しずつ共通点が見えてきます。
特に分かりやすいのが、アパレルショップです。
主役はもちろん服ですが、
「こんなアクセサリーを合わせるとトータルで素敵ですよ。今っぽいですよ。」
というスタイリングまで含めて提案しています。
もしかすると、私たちが街で「最近こういうアクセサリーよく見るな」と感じるものは、こうした提案を通して少しずつ広がっているのかもしれません。
トレンドは、大きな川みたいなもの。
さらに考えてみると、その流れはもっと上流にある気がします。
海外コレクション。
ラグジュアリーブランド。
バイヤーさんが「これは面白い」と感じたブランド。
そこからセレクトショップやアパレルへ流れ、少しずつ街に届いていく。
私の中では、一本の大きな川のようなイメージです。

もちろん、全部がそうとは限らず、今はSNSや街中で生まれたスタイルが、反対にブランドへ影響することもあり、どこが始まりなのか、はっきり分からないことも多いです。
それでも、
「これ、最初はどこで見たんだろう?」
「なぜ今、この形が気になるんだろう?」
と考えながら街を見ると、いつものお買い物が急に「リサーチ」に変わるから面白いです💎
「ゼロから作る」が正解だと思っていました
実は以前、私はアパレルブランドが主な取引先の、アクセサリーのOEM生産にも携わっていました。
※OEMとは、ブランドから依頼を受けて、商品を企画・製造する仕事です。
アパレルの小物企画担当の方から届くのは、必ずしも完成したデザイン画ではありませんでした。
「この画像を参考に。あとはこことここはこうして、この素材で。」
そんな参考画像や簡単なスケッチの指示から考え始めることも少なくありませんでした。
私が関わったアパレルブランドでは、アクセサリーだけを担当する方はあまり多くなく、服やバッグ、靴などと兼任している方もいらっしゃいました。
さらに、アクセサリーブランドのデザイナーさんからは、パーツを切り貼りしたコラージュを、企画イメージとしていただくこともありました。

当時の私は、笑顔で引き受けながら
「完成したデザイン画ではなく、参考資料から考えるんだな」
と、少し不思議に思っていました。
新卒で就職した会社だったので、今思えばちょっと生意気😅ですが、仕事を続けるうちに考え方が少し変わりました。
ブランド色に合わせることは前提で、自分が「これは面白い!」と思ったものと、お客様が「欲しい!」と思うものは、必ずしも同じではありません。
誰も見たことのないデザインを考えることと、それを受け入れてもらうことは別の話です。
ブランドには、「届けたい人」がいて、そのお客様たちに企画のベクトルを向けることが最優先、手段としてゼロからデザインすることが必ずしも必要ではないんだと、少しずつ腑に落ちていきました。
オリジナリティは、何もないとことから新しい形を生み出すことだけではなく、海外コレクションや街、SNSなどから得たヒントを、
「自分のブランドならどんな素材使うだろう」
「どんな意味をもたせたいだろう」
と編集し直すことでも表現できる。
もちろん、すでにある商品をそのまま真似することとは別の話です。
「チャーム」という言葉も、面白い
少し前、個人的に面白いなと思ったのが、「チャーム」という言葉です
もちろん昔からある言葉ですが、一昨年〜昨年(2024年〜2025年)、キャラクターやモチーフをバッグに付けるスタイルを、街やSNSでよく見かけました。
そうした流れと重なるように、ジュエリーでも「チャーム」という表現を以前よりよく目にするようになった、とジェリー系イベント企画会社のスタッフさんから聞きました。
少し前なら「ペンダントトップ」と紹介されていたものを、あえて「チャーム」と呼ぶ。
種類の違うチャームを、たくさん並べられた写真をSNSに掲載する。
言葉と見せ方が変わると、
「ひとつの完成したネックレス」ではなく、
「好きなものを組み合わせて楽しむアイテム」
という印象になります。

並んでいるだけで Kawaii 🫶✨
ブランド側からすると、チャームを少しずつ集めていただけたらもちろん嬉しいし、
お客様にとっても、その日の気分で組み合わせを変えられたり、コレクションしていく楽しさがあります。
「ものは言いよう」「見せ方次第」と言ってしまえばそれまでですが、本質的に見ると、楽しみ方まで提案することに価値があるんじゃないかなと感じています。
「早っ!」と思った出来事
そういえば最近、「トレンドってこうやって広がるのかな」と感じた出来事がありました。
ご存知の方も多いと思いますが、映画『プラダを着た悪魔2』で、アンディが身につけていたネックレスです。

NYのジュエリーブランド Jemma Wynne(ジェマ・ウィン) の 「Forme ダイヤモンド トグルネックレス」
トグルがポイントになったデザインで、映画のスタイリングとともに話題になっていました。
使われていたものは、K18イエローゴールドとダイヤモンドを使ったファインジュエリー。
公式価格は9,870米ドルで、日本円にすると100万円を大きく超える価格帯です🫨
その後、まったく同じものではありませんが、トグルをポイントにしたアクセサリーを目にする機会が増えたように感じました。
「この雰囲気を、ブランドらしく取り入れたのかな?」と思う新作を見かけたこともあります。
もちろん、映画が直接のきっかけだったのかは分かりません。
もともと企画されていたものかもしれないし、別のトレンドから生まれたものかもしれません。
それでも、「今、世の中の人が何に心を動かされているのか」を感じ取り、自分のブランドらしい形に置き換える。
そのフットワークの軽さも、ブランドを育てていくうえでは、時に役立つ力なのだろうなと思いました。
流行を「追う」より、「眺めてみる」
消費側でも、提案側でも、「流行に乗るのって、なんだかなぁ」と思う方もいると思います。
できれば人と違うものを持ちたいし、流行り物には飛びつきたくない。
私も、昔はそうでした。
でも、見せ方や言葉、SNS、タイミングなど、デザイン以外にもちゃんと流行る理由があることの面白さに気づくと、少し見方が変わってきました。
ちなみに、「届けたい人に寄り添うこと」と、「売れるものだけを作ろう」と媚びることは、別の話です。
当然ですが、ジュエリーは流行だけで選ばれるものではなく、
憧れの人が着けていたから。
このモチーフや天然石に思い入れがあるから。
このブランドの世界観が好きだから。
──そんな理由で選ばれることも、本当にたくさんあります。
私は、ジュエリーをファッションとして着飾ったり、服とのコーディネートを楽しんだりすることは、魅力のほんの一部だと思っています。
私自身も、見た目のバランスだけではなく、
「今日は絵画のTシャツだから、アート系の作家さんが作ったピアスを合わせよう。」
そんな、自分にしかわからない組み合わせや意味づけを楽しむことがあります。
だから、流行は追いかけるものというより、少し距離を置いて眺めてみるくらいがちょうどいいのかもしれません。
そのうえで、自分のジュエリーを「誰に、どんなふうに届けたいのか。」そして「このトレンドを取り入れるのか、取り入れないのか。」
などと考え続けることが、ブランドづくりではとても大切なんじゃないかなと思っています。
おまけ こんな順番でリサーチしては?
例えば、「メンズラインを作ろう」と思ったら
「最近ゴールドが高いから、シルバーでボリュームを出して、10万円くらいの商品にしようかな」
と、素材や価格から考え始めるのも一つのアプローチですが、そのジュエリーを着けている人の姿を先に想像してみる。
・普段はジャケットを着る人なのか。Tシャツや古着が好きなのか。
・仕事のときにも着けたいのか、休日だけ楽しみたいのか。
・どんなブランドが好きで、どんな雑誌やSNSを見ているのか。
そんなことを考えながら街を歩いていると、「この人なら、こういうものを選びそう」と見えてくることも。
もちろんそれが正解とは限らず、年収が高くてもジュエリーに興味がない人はいますし、好きなもののために時間をかけてお金を貯める人もいます。
だから、単純に
「この人はいくら出せるだろう?」
よりも、
「この人は、何にならお金を使いたいと思うだろう?」
と考える方が想像力が働いて面白いなと思っています。
そうやって人物像を想像してから素材や価格を考えると、商品にも少し筋が通ってくる気がします🤔
そして私だけではないと思うのですが、素敵なアクセサリーを着けている人を見かけると、ついつい目で追ってしまうんですよね👀✨
「どこのブランドだろう?」
「素材は?」
「その重ね着けかわいい!」
なんて考えていたら、
「いけない見すぎた。これでは不審者だ。」
と、ハッと我に返ることもしばしば😇
でも、そんな人間観察が、ものづくりをする人にとって立派なインプットになるのかなと思います。








