ジュエリーを作る理由

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こんばんわ。

今日は少しお勉強した話を。

皆さん、矢野経済研究所ってご存知ですか?

色々な市場の調査をして、自分の知りたい市場のデーターを検索すると、1年の振り返りや今後の動向を予想してレポートにまとめて発表してくれている企業さんです。

調査価値の高いレポートは有料となっていますが、無料で公開しているレポートもとても質が高く、大変勉強になります。

興味のある方は是非どうぞ。→矢野経済研究所

最近知った私は、宝飾品市場についてのレポートを2011年と今年度の2015年のものに目を通してみました。

なぜ2011年か。

それは東日本大震災があった年です。

日本にとって、とても悲しい出来事のあった時、私たちがいつも真剣に向き合っているジュエリーはどんな役割を果たしてくれたのか。ジュエリーに出来た事とは何だったのか。という事が知りたかったからです。

予想していたのは私達が大切にしている事とは裏腹に、ジュエリーは贅沢品の一種なので買い控えが増えて、市場は冷え込んでしまったのではないだろうか・・・ということでした。

当時、私は大学卒業の年でした。

美大に通っていた私は、1年かけて準備してきた所属ゼミの修了展示会の準備を終え、いよいよ展示初日を迎えホッとしていた直後、震災は起こりました。

もちろん展示は中止となり、自粛ムードの中、卒業式も中止でした。

それでも、何も文句はありませんでした。

生きていられたことに感謝すらしたからです。

日本中が被災地の方達を思い、悲しみに包まれ、全てにおいて控えた年でもありました。

あの何とも言えない空気は今でも時々思い出します。

 

ですが、宝飾市場の売上推移のグラフを見て驚きました。

多少下がっているものの、ほとんど前年度の2010年と変わらない結果となっていました。

まるで何事もなかったかのように。

 

矢野経済研究所のレポートには以下のような考察文が記載されていました。

「2011年に入ると、同年3月の東日本大震災による消費マインドの低迷が大いに懸念されたものの、”絆”を大事にしようという気持ちから、それを表現するためのアイテムとしてジュエリーが浮上し、ブライダルジュエリー、ペアジュエリーを中心に動きが見られ始めた。」

 

この文章を読んだとき、私達がジュエリーを作る上で一番大切にしていて、誇りに思っていることがちゃんと広く浸透している事に、心から嬉しく感じました。

 

ジュエリーとは、愛する気持ちや、感謝の気持ち、目に見えない「絆」や「約束」を形にして身に着けられるものなんです。

普段、日常では感じない危機感や悲壮感を目の前にしたとき、人は人との繋がりに改めて向き合います。

当たり前に大切な人が側にいてくれていることが、どれだけ幸せなことなのかに気付き

感謝の気持ちと、これからの未来を想います。

その想いを形に出来るもの、いつでも身に着けられることが出来るもの、簡単には壊れたり劣化したりしないもの。

それがジュエリーなんです。

震災があり、日本の為にジュエリーに関わる人たちが出来たことは、人が気付いた大切な気持ちを形にして、人と人の強い繋がりをもたらすことでした。

 

私たちLavagueのスタッフ達は、ジュエリーの作り方を教えている講師たちです。

私達が教えて、ジュエリーを作ることが出来るようになったその先に、一体何があるのか。

自分がジュエリーを作れるようになると、大事な友人や、家族、お世話になった方々や、支えてくれている人達の大切な気持ちを、形にすることが出来るようになるのです。

自分の為のジュエリーを作れるようになる事も、もちろん嬉しい。

趣味として技術を追求していくことも、すごく楽しい。だってとても奥深い世界なんだから。

 

最初はそれでいいんだと思います。きっかけは何でもいいんです。

でも、ジュエリーだからこそ出来る事というのも知っておいてほしいとも思ってもいます。

今回このブログを書いたのも、改めて調べてみて、データーの結果に納得して、皆さんに伝えたいと思ったから。

Lavagueでは、独立起業に繋げるジュエリー製作を教えていますが、そういった「ジュエリーだからこそ出来ること」の一番知っておいてもらいたい大切な部分も、アントレプレナーコースでは最初にお話をしています。

お金設けの為のビジネスではなく、素晴らしい仕事をしていると胸を張ってほしいですからね。

ジュエリーにしか出来ない事って沢山あるんです。今回のお話はほんの一部です。

これからジュエリー製作を始めてみたいな。という方や、ジュエリー製作をすることに壁を感じてしまった方に読んでいただけたら幸いです。

 

長くなってしましたが、今日はこの辺で。

中西

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