前回の続きです。
ジュエリーCADで有名になったラヴァーグですが、ジュエリーCADを学び様々な原型がスピーディーかつ低価格で作れるようになる事は、既に多くのジュエリーブランドが取り入れている事を考えればその有効性は明確です。
しかし、あくまでもジュエリーCADは原型をつくる。という仕事を手作りからコンピューターと造型機を介してやり方を変えたという事です。
シルバーアクセサリーブランドやブライダルジュエリーブランドであればかなりの破壊力がある変化をもたらしました。
しかし、ラヴァーグにはブランドオーナーやジュエリーショップ経営の方が多く通っています。
地域や店舗の特性によっても違うのですが、共通する問題点は少し似ています。
その問題を解決していく為に数年前から少しずつ取り組んでやっと形になったので、発表します。
ラヴァーグは “石留めと彫留めに特化したコース” を開設します。その為に石留めなどのノウハウを持ちながらも最新の設備にも精通しているパートナーが必要だったのです。
少し “工房こだま” の紹介を書いておきます。
もともとは、宮崎県の刀鍛冶からはじまり、のちに鉄砲鍛冶になった血筋にうまれた小玉勝人氏が1967年に立ち上げた工房です。現在で約48年続いている工房です。
勝人氏はみんなが知っているミキモト装身具で活躍。
皇室の美智子様のティアラや力道山のチャンピオンベルト等の製作をしたそうです。
今はその技術と経験を2代目でもある小玉弘毅氏にバトンを渡し、サポート役に徹しているそうです。
ラヴァーグと小玉弘毅氏とは約5年前ぐらいから交流があり、その人間性の気持ち良さに惹かれスタッフや生徒達からも信頼されている人物です。海外でも活躍の実績があり、ジュエリーメイキングの総合力はかなり高いものがあります。
“石留め”と一言で言ってもその技法はとても幅広く、地域や企業によっても留め方の名称も乱立しています。
実は、この石留めの職人さんは少しずつ減ってきてしまっています。
なぜなら、一定レベルをクリアする為にはかなりの努力と熟練を要するからです。金属を彫り上げる為の彫刻刀のようなものをタガネといいます。このタガネを作るだけでも奥が深く、カルチャースクールなどの習い事の楽しみながら学ぶという感じでは教える事が出来なかったのからなのかもしれません。
そこで、ラヴァーグで蓄積されたノウハウと、工房こだまが蓄積してきたノウハウを融合させ、簡単にタガネを作り上げるやり方。
簡単に石留めができるやり方を研究してきたのでした。
まぁ本当に奥が深いのですが、ジュエリーを作っている人にクイズです。こんな事を知っていますか?
ななこタガネとミルタガネのタガネの形状の違いを伝える事ができますか?
僕が石留めを研究し始めた頃。日本語ではななこタガネ。英語ではミルタガネぐらいの違いだと思っていた事がありました。
でも。ぜんぜん違うんですよ。
その違いをしっか理解すると、いまどき人気のミルグレインの美しさも更にアップするのです。
少しずつ情報をリリースしていきますね。
日本の宝飾業界の未来が少しでも加速していけるように更なる努力をつづけていきたい。と思っています。